Scroll
BASS FISHING
ANGLERS VOICE
アングラーズボイス
奥村 和正
KAZUMASA OKUMURA
モンスター級を獲るために、最も大切な要素
数々のデカバスを手中に収め、自身の理論を実証し続ける奥村和正さん。 2009年に立ち上げたTALEXレンズを搭載するサングラスブランド「次元」を武器に、さらなるモンスターを日々追い続けている。 彼がモンスター級バスを攻略する上で、どういうモノを見ているのかを訊いてみた。
TALEXレンズを使い続ける理由を教えてください。
年間の釣行が、ほぼメディア取材やテスト釣行による本気モードなので、これら連日の釣りには、それなりの負担が目にはくる。早朝から日没まで、レンズ幅をほぼフル活用するほど視線は動き続け、天候も土砂降りもあれば、強烈な日差しに水面がギラつく真夏もある。目を酷使する環境下でTALEXのクオリティに信頼を置くのは当然と言えば当然。日本人の目には、やはりジャパンメイドのレンズが最も適していると日々実感している。
PHOTO:KENJI MATSUMOTO
様々な経験のなかでモンスター級を狙うために必要な要素はなんですか?
シーズナル的要素によって絞り込まれるスポット。そこに執着する群れの中でモンスター級だけに狙いを定めるには、一連のプロセスとリズムが最も大切な要素。この両方を手に入れたとしても必ず結果につながるわけではないが、このどちらかが崩れると結果から遠ざかるのは間違いない。
PHOTO:KENJI MATSUMOTO
モンスターに近づくために奥村さんが大切にする一連のプロセスとは何ですか?
バスが、ボトムの変化にプラス要素が重なった場所を好むのは周知の事実。さらにモンスター級ともなれば、季節感のズレなども考慮しながら、一つでも多くのプラス要素が絡む場所を探し当てることから始まる。そのためには、可能な限り深くまで水中を目視できるレンズは、まず必須条件と言っていい。この目から得た情報をベースに、プラス要素をルアートレースという手の感触でさらに突き詰めていく。ここが絞り込めれば、後は喰わせるルアーセレクトとタイミングを経験から引き出す。これが一連のプロセス。もちろんパターンは数え切れないほどあるが、重要なのは、そのプロセスで自分が選んだすべてに確信を持てるかどうか。現在、メインに使うのはトゥルービュースポーツ。水質変化も見れるグレー系の視界にストラクチャーの変化やチェイスが見えるので信頼性は抜群に高い。あと、濃い茶色のアーシーブラウンは強い日射しのなか、距離を置いて狙う際に多用している。
PHOTO:KENJI MATSUMOTO
具体的にどのような部分を意識して見ていますか?
例えばリザーバーの場合、地上にある地質を見れば、おおよそ水中のボトム質は推測できる。これが、どこでどう切り替わるか。見えるか見えないかギリギリで地質の変わるラインがまずは狙い目となる。そして最近は、日によって変わる水のヨレやベイトなどを別の要素として捉えることが多い。この一連の動作でTALEXレンズに不安要素はゼロ。ここに隠れた立ち木などを手からの感触で得られれば、間違いなくそこはインプットするスポット。これをベースとしてプレッシャーが高ければ、あえて距離を置いて狙うこともモンスター対策として不可欠である。
PHOTO:KENJI MATSUMOTO
琵琶湖に代表される天然湖でもレンズに求める要素は基本的に同じだが、リザーバーとは異なり、季節で見るべき対象物は大きく変わる。カナダ藻やセンニン藻を判別したり、エビ藻だけを探すこともあれば、記憶の地形を辿りながら良質なウィード群からポケットを探すこともある。この時、レンズに求めるのは情報処理能力の高さ。暗すぎたり、鈍い偏光機能ではタイムロスが出てしまい、リズムを失う。良いリズムを維持することがモンスターを獲るには、かなり重要と考える。
PHOTO:KENJI MATSUMOTO
見ることの重要性を感じた具体的なシーンを教えてください。
ブルーギルがネストをもつ6~7月は、レンズ性能が釣果を左右する典型的なシーン。多少の波間でも情報を減らさないレンズ性能はブルーギルのネストをピンポイントで見つけ出せる上、周囲のウィードの高さも誤差なくインプットできる。結果、手に取るルアーを絞り込める。あとは効果的におびき出せる水深をアレンジすればいい。中層なのか、あるいは目線の少し上なのか…。答えは追随するシルエットとして得られる。実際、この目でモンスターのチェイスから捕食までを何度も目の当たりにしているし、喰わせるための動きも掴めた感がある。 とはいえ成長過程で知恵を持ち、一筋縄ではいかないワールドクラスを獲るためには、プロセスとリズムだけでなく“絶対に口を使う”という確信をもってキャストすることを常に意識している。
PHOTO:KENJI MATSUMOTO
PHOTO:KENJI MATSUMOTO
奥村 和正 おくむら かずまさ
独自のスタイルと理論でモンスターバスを追い求める熱きアングラー。琵琶湖そして池原ダムで培ったバックボーンと揺るぎない実績を武器に、突出したルアーを開発。デカバスだけにフォーカスしたルアーブランド・デプス社の代表取締役。