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TROUT FISHING
ANGLERS VOICE
アングラーズボイス
春日 和年
KAZUTOSHI KASUGA
厳しい環境下で的確な判断を下し、本物のワイルドフィッシュと出会う
北海道とアラスカ、二つのフィールドを中心にトラウトやサーモンを追う春日和年さん。 北の河川で目の前に立ちはだかるのは、圧倒的な自然環境だ。 厳しい状況下で可能性を探り、戦略を組み立てるために必要なレンズ性能とは?
北海道ならではのレンズの役割はありますか?
生まれ育った道東は湿原河川が多く、水は常に濁った状態です。川底の形状や倒木などの障害物を視認することはできませんし、中層、下層の流れがどうなっているかも全く見えません。それどころか、雑木のわずかな隙間からチラッとしか川が見えないことや、ルアーの着水点が見えずに感覚だけで投げざるを得ないこともあります。そういう場所にメーター級のイトウや大型のアメマス、ニジマスが潜んでいたりするので、釣りづらいからといって避けるわけにいかない。
偏光レンズが釣りの世界で大切なギアとして認知されるようになっても、幼少期から「見えない」ことが当たり前だった自分には、あまり必要性を感じるモノではありませんでした。だけど、その考えは正しくなかったのです。自分たちは岸際の状態、川に迫り出した木の種類や根の張り方、その先にある原生林の地形といった周囲の状況から、水中の起伏や魚のつき場を予測して釣りを組み立てます。そういった情報をより多く、すばやく、的確に手に入れるために、これほど優れた道具はなかったんですよ。 とくに赤褐色に濁った水と岸際の泥は色がよく似ていて、光の差し方によっては境目がよく見えません。また、鬱蒼とした原生林の中では晴れていても薄暗い状況が少なくない。このような状況にコントラストを強調してくれる『アクションコパー』は、間違いなく釣果を左右する大事なギアとなってくれました。そして最近は、使い分けとしてオールマイティな『トゥルービュースポーツ』も併用しています。ナチュラルかつ輪郭をしっかり際立たせてくれるコントラスト性能が湿原河川の色と合っていて、アクションコパーと同様に効率よくポイントを絞ることができます。
毎年、アラスカへも釣りに行かれますね。
キングサーモンやシルバーサーモンを狙いに行きますが、6月のキングサーモンシーズンには夜の12時近くまで日が沈みません。深夜でもうっすらと明るいので、気力と体力さえあれば延々と釣りができるんです。だから何度行っても川が気になって、ほとんど寝ずに釣りをすることがありますよ(笑)。その代わり、夜はやはりローライトになります。
9月の釣行なら日の出が遅くて、朝マヅメが7時頃。釣り人が行動する時間にはまだ薄暗い状態です。2016年の釣行では雨が多かったので、一日中ローライト下での釣りを強いられました。そんな中でもTALEXの『トゥルービュースポーツ』の自然な視界は非常に役立ちました。薄暗い状況でもキャスト位置からサーモンの遡上位置までしっかりと見えていて驚きました。それは今までに見たことのない視界。投げたスプーンに反応したシルバーサーモンが一瞬発するギラつきがレンズ越しに何本も見えたこと、これがとても大きかったですね。結果、落ち着いて次の動作に移行でき、どのサカナもランディングまでスムーズにできました。厳しい状況でも釣果を得られることに繋がったわけです。
また、本流は日本ではちょっと見られないような大河川です。川幅があるだけでなく、流れにずっしりと重量感があり、どこにルアーを投げればいいのか判断するのは非常に難しい。そこで、視野が広いZEALのフレーム『ENZO』と『トゥルービュースポーツ』の組み合わせを選択したのですが、見るべき範囲を狭めることなく、ちょっとした流れの筋を確実に見やすくしてくれました。視界の違和感が全くないので、偏光レンズを掛けていることを忘れてしまうくらいです。それから海外では旅行者として風景を楽しみたいという思いもあるので、自然な色味の視界でいられるのは純粋に気持ちいいものです。
北国の雪の季節、偏光レンズが果たす役割とは?
北海道には釣りのオフシーズンというものがありません。最高気温がマイナスであっても、たとえロッドのガイドが一投ごとに凍りついて穴が塞がる状況でも、釣り人は雪原を何時間も歩き続けて、なんとかして魚の顔を見ようと釣り場を目指すのです。一面の銀世界では、夏場よりもさらに偏光レンズは欠かせない存在。雪の照り返しは強烈で、目を保護していなければ川に辿り着いた時にチカチカしてしまい、しばらく釣りにならないほど。ダメージを最小限に留めるために、友人たちにもTALEXレンズの使用を強く勧めています。雪の起伏を際立たせてくれるので、安全な足場を判断するのにも有益です。一歩踏み違えれば凍った川に落ちることもありますから、命を守る道具であるとすら思います。自分の体の熱と外気温との差でレンズが曇らないよう、曇り止めを塗って万全の態勢で雪中の釣りに臨んでいます。朝夕は道路も凍っていますから、行き帰りの運転時にも必ずTALEXレンズを掛けています。偏光レンズは必要ない、そう思っていた昔の自分には、もう決して戻れないですね(笑)
春日 和年 かすが かずとし
スプーンメーカー『Northern Lights(ノーザンライツ)』代表。北海道に生まれ、幼少期よりスプーンでのトラウトフィッシングに没頭する。とくに湿原河川でのイトウ釣りは小学生時代からのライフワーク。雑誌やテレビなどメディアでも活躍し、自身のFacebookでは道東の釣果情報を中心にトラウト・サーモンフィッシングの魅力を日々発信している。
TROUT FISHING
ANOTHER VOICE
アナザーボイス
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TAKEJIRO SEKI
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サクラマスの魅力、それは何と言っても釣れないこと。
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釣れたから正解とは限らない。大切なのは、なぜ釣れたのか?