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AYU FISHING

ANGLERS VOICE

アングラーズボイス

瀬田 匡志

TADASHI SETA

流れの中にある一本の光る筋

急瀬・荒瀬など、強い流れの芯から豪快に野アユを引き抜くスタイルで定評のある瀬田 匡志さん。 全国のトーナメントシーンで活躍する彼をフルタイムプロとしてイメージする人は少なくないだろう。 しかし彼は普段仕事をしながら週末だけフィールドに立つ、いわゆるサンデーアングラー。 一般アングラーと同じような境遇で競技に参戦する彼がTALEXレンズ搭載のDAIWA TLXを手にしたことで、 その情報収集力は格段に向上し、独自の攻略法をブラッシュアップできたという。 流れをメインにアユ釣りを組み立てる彼の攻略法とTALEXの活用法を紐解いてみよう。

釣果を求める上で重要視していることがあると伺いましたが?

ボクは川に入る前の下見を、かなり重要視している一人です。特に知らない場所、一度も入ったことのない川では、橋や丘から下見をすることで多くのことが見えて来ます。それがすべてとは言わないけど、その日の釣果を大きく左右することは間違いないですね。日中の仕事を終えてから釣り場に向かうことが多く、下見に充てられる時間はその日の夕暮れか、翌日の早朝。短時間で少しでも多くの情報を得る、その目的にイーズグリーンは、抜群の仕事をしてくれています。

もうひとつ、見ておくべきことがあると伺いましたが?

下見によって、石の色や鮎の活性を把握できたら、次に筋を絞るように意識しています。川は単純に言えば上流から下流に流れているもの。でも、底石の大きさや位置によって複雑な流れを生み、いくつかの細い筋が存在します。その中に、キレイでいかにも釣れそうな筋が、実はあるんです。その筋を頭にインプットしたら、次にその筋を自分が、どう攻略するかを具体的にイメージするようにしています。

自身が組み立てた攻略イメージを実践するということですか?

そうですね。ただ、下見で筋を絞り込んだとしても、川に入ればどうしても横から見る状態になるじゃないですか。底石に目印がついているわけじゃないしね。でも理想としては、自分を真上から見て芯をハズさず100%通したいんです。TALEXのレンズを使うことは、この理想に近づける唯一の方法といえます。反射を取るのはもちろんだけど、とにかく揺れや歪みがないから奥行感にズレがないんです。だから、上から見た感覚と川に入って見る感覚の差が少ない。 あと、下見と釣りを同じレンズカラーで見るようにしています。絞り込んだ筋と、川に入って自分が釣っていくラインの精度を上げるためにね。早朝と夕方にはイーズグリーンを。それ以外の日中はトゥルービュースポーツかエアリーパープルを状況に合わせて使い分けています。 具体的には、比較的、浅場でクリアな水質で目印的な岩を輪郭として捉えたいときにはエアリーパープルのコントラスト性能が効果的で使いやすいですね。逆に水深があって濁りがあるエリアでは、狙う筋がボヤけがちになります。そんなシーンでは石をシルエットで見分けながらも、流れやヨレを消しすぎないトゥルービュースポーツをメインに使っています。

結果はすぐに出るものなのでしょうか?

下見によってイメージが固まれば、その筋で一番良い石へ実際にオトリを入れて音を待つ。答えは必ず10数えるまでに出ますね。そこでオトリが天然に入れ替われば、循環の釣りがスタートするんです。あとは狙った筋をキッチリ外さず当てていく。面倒だからって芯を外して斜めに通すことはしません。確率が下がるし、タイムロスに繋がる。縦に確実にあてていけば掛かる確率はむちゃくちゃ上がりますよ。 プロといっても一匹目を釣るのは簡単ではないですからね。大切なのは、狙った筋に確信をもてるかどうか。だから信頼できるレンズが必要なんです。余分なことをせずに済むことで、無駄なく、効率よく循環の釣りをできるようになりました。

自身のイメージと現実の差を縮めるために効果的なことがあると伺いましたが?

あと、超高感度な竿で得られる情報との連動は絶対に必要です。これはTALEXのレンズで見た筋の深さや流れの強さを手の感触を確かめるため。使い込めば使い込むほど、見たイメージと手で感じるイメージとの差が少ないと感じますね。思った場所で思ったタイミングで音が出る。楽しいと感じない人はいないでしょう。 釣れないからって、あまり難しく考えずに、とにかく水があればどこでもアユは追うと思っていいし、やらずして省かないで欲しいんです。極端に浅いところを見て、あんなとこやっても釣れないだろうな…じゃなくって、一度やってみる。手つかずの宝箱を見つけられることも実際にあるんです。誰もいないところでハマれば、追い星がまっ黄色なアユに出会えますよ。見えてくる、いろんなことがね。もちろん、その時掛からなくても竿を出した経験が絶対生きてきます。怪しいなと思ったことを、面倒くさがらずにやってみること。やってみて答え合わせして、自分の引き出しを増やせたと実感したとき、この釣りの楽しさが今より広がりますから。

瀬田 匡志 せた ただし

幼少時代から積み重ねた経験と妥協なきチャレンジ精神をバックボーンに、どんな河川においても安定感をもつ注目のアングラー。早いテンポでエリアを見極め、複雑な流れを見事に攻略するその姿は全国のアユファンを魅了する。