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ISO FISHING
ANGLERS VOICE
アングラーズボイス
山元 隆史
TAKASHI YAMAMOTO
寄せエサの奥行きを鮮明に掴む
海面が波立ってギラギラと乱反射する波砕ける磯では、エサと仕掛けの流れ方を常に注視することになる。 そんな時にはクリアな視界を得るための偏光レンズが不可欠。 大型のオナガメジナに照準を絞る山元隆史さんが選ぶレンズ性能。
山元さんが磯釣りを始められたのはいつ頃ですか? TALEXレンズを使い始めた時期も教えてください。
小学生の頃ですね。何しろ父が連れていってくれましたから。幼い時から偏光グラスが重要なことは分かっていたのですが、 TALEXのレンズに興味を抱いたのは20年ほ ど前、20代半ばの頃です。仲間も使っていた ので、私もいくつか購入して、様々な色を試すようになりました。当初はウキが見やすければよいと単純な理由で選んでいましたが、オナガメジナを真剣にねらうようになって、精度の高い偏光レンズの重要性を再認識しました。
寄せエサの流れ方を見極め、かつオナガメジナのタナを把握する。そこで重要になるのが偏光レンズですね。
寄せエサは真下に沈むのではなく、流れながら絶えずその位置が変化します。上潮は滑っていても、ある一定の層を通過するとまっすぐ沈んだり、逆に下層で一気に横に流されたりすることもあります。Sの字に流れることもあれば、タナによって沈み方のスピードも違ってきます。この流れを把握するために、寄せエサの「奥行き」が分かる偏光レンズが必要になるのです。中でも『アクションコパー』と『ラスターオレンジ』というレンズカラーは、寄せエサの層が平面的ではなく、立体的に見えやすいので、特に多用しています。
平面的と立体的。その見え方をもう少し詳しく教えてください。
平面的に見えるレンズは海底や根の起伏がよく見えても、のっぺりとして距離感が掴みにくいものです。海底の変化を見るだけなら、そのようなレンズでもよいでしょうが、メジナ釣りは海面から海底までの間を寄せエサや仕掛けがどのように流れていくかを注視します。その奥行きが分かるのが立体的に見えるレンズです。魚との距離感、寄せエサの位置が立体的に分かれば、仕掛けの 長さや流し方の戦略が練りやすくなります。
複数のレンズカラーを使い分けることはありますか?
基本的には水質と光量、この2つの要素で3色のレンズカラーを使い分けています。たとえば四国西南部でいうと黒潮の影響を受けやすい鵜来島などの澄んだ海では『アクションコパー』の出番が多く、黒潮からやや離れた中泊などの内海を釣る時は、『ラスターオレンジ』を好んで使っています。光量での使い分けとしては、太陽を正面に受ける逆光時や、日が出て間もないオレンジ色の光が強い時は、水面反射をしっかり抑えてくれる『トゥルービュースポーツ』を。晴れ間でも雲があり、光量が落ち着いた場面ではコントラスト性能が高いアクションコパーに切り替えます。曇りの日やマヅメ時など、光の乏しい時は明るくハッキリ見える『ラスターオレンジ』をメインに使っています。『アクションコパー』と『ラスターオレンジ』、この2つのレンズカラーの見え方は似ていますが、光量の違いで使い分ければ、得られる情報量は確実にアップします。
度付きのレンズを愛用されていると伺いましたが?
実は、普段愛用している偏光レンズには軽い乱視補正が入っています。TALEXのプロショップで視力を確認してもらったことで乱視矯正となったわけですが、これが本当によかった。メジナ釣りは目を酷使する釣り。ピントの合わない状態で海中やウキを集中して見ていると非常に疲れます。この度付きレンズを使い出してから疲労度はぐんと軽減されました。それと、プロのフィッティングはぜひ受けてほしいですね。フレーム角度が若干歪んでいるだけで集中力も大きく変わります。
山元 隆史 やまもと たかし
徳島県徳島市在住。磯釣り競技界の重鎮、山元八郎さんを父に持つ。徳島県釣連盟55代名人で、大型のオナガメジナ・ハンターとして知られる。