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ISO FISHING

ANGLERS VOICE

アングラーズボイス

田中 貴

TAKASHI TANAKA

コレがないと、もうボクの釣りは成り立たない

パワフルな引きが魅力ではあるが、掛けることはもちろん、取り込むまでのすべてが難しいとされるグレ釣り。その難しさこそが、のめり込む理由のひとつだと話す田中貴さん。彼は一般アングラーだった20年以上前からTALEXレンズだけを使い続けている。その20年という経験のなかで辿り着いた彼のフェイバリットカラーと、そのレンズカラーで釣果に結びつけるために、何に注目しているのか?を訊いてみた。


“TALEXとの出会い”は、いつ頃ですか?

25年ほど前ですかね、TALEXを知ったのは。
当時、とりあえずで買った暗い偏光グラスを使っていたんですが、雑誌とかでプロといわれる方がTALEXレンズをつけ出した時代だったので気になっていましたね。 そこで試しにと、自分の持っているサングラスのレンズをTALEXレンズに交換してもらったのが最初です。
確か、佐世保のTALEX PROSHOPだったと思います。

受け取られて、最初に釣り場で見た印象を覚えていますか?

忘れないですね、しっかり覚えてますよ。最初はトゥルービュースポーツだったんですが、もう全然違いました。あぁこれが偏光レンズなんだって思いましたよ(笑)。疲れにくさの違いも、とても印象に残ってますね。 あと磯釣りって、釣りをしている時間が長いから、朝夕マヅメ用にもいるかなってことで、イーズグリーンをすぐに追加しました。それから、もうずっとTALEX。このレンズでないとボクの釣りは成り立たないくらい重要なアイテムです。ボク、釣り場に予備竿とか予備リールはあまり持っていかないんですが、予備のDAIWA TLX011は絶対持っていきますもんね。海に落としたり、壊れたら釣りにならないから。

磯釣りで一番気に入っているレンズカラーとその理由を教えてください。

トータルでいうと一日使えるイーズグリーンがボクには合ってます。理由は、違和感のない明るい視界で、とにかく多くのモノが見えること。逆光のときでも、薄暗いときでも、眩しいときも普通に使えてますね。 正面に太陽がある時間帯に、他のレンズカラーに掛けかえたこともあったんですが、やっぱりボクは情報量が減らないイーズグリーンで出来るだけ見ておきたいです。

「TALEXでないとボクの釣りは成り立たない」とは、具体的には何を見てるのでしょうか?

海の中のすべてです。エサの動き、コマセの動き、仕掛けの動き、そしてエサ取り含めサカナの動き。あとはライン(糸)の方向と糸ふけ。そしてストラクチャーの位置とカタチ、それ以外も見えるモノは、すべて見てますね。だって海の中って、ほとんどわからないことだらけじゃないですか。その見えないなかで、どれだけ情報を集められるかが釣果に繋がると思うんですよ。 水中の情報を得るためには、仕掛けを通して手で感じることと、目で見ること、その二つしかない。どちらか欠けたらサカナに近づけない。やっぱり重要なんですよ、目で見る情報って。

TALEXレンズを通して見える水中の情報と仕掛けをどのようにリンクさせるのですか?

周りの人を見てると、ウキやラインとか比較的表層近くを注視している人が多いんですね。 でも重要なのは、その下なんですよ。まずボクは磯場の結構高い位置からしっかり海の中を見て、一旦仕掛けを沈めていきます。 仕掛けを沈めてみて、どのくらいの深さなのか、潮の流れはどのくらいなのか、どの位置に沈んでいったのかを目でしっかり追います。 そして回収する時に上がってくる仕掛けが自分のイメージと合っているかを確認します。地道だけど、その差を縮めていく作業が、やっぱり釣果につながるんですよ。 だから偏光レンズを通して見える情報に信頼性がないとダメなんです。見え方の精度が高ければ高いほど攻めていけますから。 TALEXってシモリはもちろん、マキエやエサ取り、そしてたまに見えるグレのいるタナが本当に正確なんです。

トーナメントなど、波がある場所で釣果を出さないといけない時もありますよね?

もちろん、あります。波があれば当然、水中は見にくくなります。ボクだけが特別に見えるということはないです。でも、そういう時にこそ、色々な磯でしっかり水中を見てきた経験が活きてくるんです。少なくても波間に見える情報をしっかり見た上で、頭にインプットされた過去のイメージから、こんな感じだろうなって。それを仕掛けの動きで確認していけば、同じように攻めた釣りを展開していけますし、それで掛ければ楽しさも倍増します。

田中さんにとってグレ釣りの魅力って何ですか?

磯場という非日常的な空間に居れるというところですかね。普段の生活では、なかなか体験できない場所じゃないですか、磯って。 あと、どんなサカナが掛かるか分からないていうところも、やっぱりワクワクします。 そのなかで、グレを狙って釣るのってホント難しいんですよ。太い糸で狙えば、サシエサがコマセと同じ動きにならないから喰ってくれない。 だからギリギリの細い仕掛けで狙うんですが、そうすると掛けた後のやり取りは当然、難しくなる。 掛けたサカナは全部、釣り上げたいじゃないですか。その可能性を一気に上げてくれる大切なギアなんです、TALEXって。 自分の仕掛けがイメージとリンクしてウキが入る。そして目で捉えたストラクチャーをかわしてパワフルなグレを釣り上げた時に得られる達成感は、何度味わっても最高なんです。

田中 貴 たなか たかし

熊本県 天草をホームグラウンドとし、常に攻めの釣りを展開するフカセ釣りのエキスパート。仲間内で和気あいあいと釣りをする時が一番楽しいと語る一方、グレ釣りトーナメント最高峰といわれるダイワグレマスターズにて、3連覇、2連覇、そして今年と6度の優勝経験を誇る本格派プロアングラー。