アングラーズボイス

瀬川良太

RYOTA SEGAWA

その一匹に出会うため、
すべての情報を正確に視る

荒々しい磯を舞台に大物と緊迫した闘いを繰り広げるロックショアゲーム。
世界を股に掛けるフィッシングエクスプローラー、瀬川良太さんに偏光グラスの必要性を聞いた。

瀬川さんは、初めて立つ磯で釣りをすることも多いと思います。釣り場に着いた直後は、どんなことから始めるのでしょうか？

ロックショアゲームの魅力は、地に足をつけて大型魚と真っ向から勝負できることですが、それだけに危険も伴います。どんな場所でも、まず最初にやるのはポジションの確認です。魚を確実にランディングするため、そして何より自分の安全のために、「どこに立ち、どうファイトするか」を常にイメージしながら、細かく周囲をチェックします。その際に重要なのが、足場の状態だけでなく、沈み根など海中の地形の正確な把握です。特にロックショアでは、この地形の把握が釣果と安全の両方に直結します。

やはり、大型魚を狙うロックショアでは、地形の把握が重要なんですね。

そうですね。ただ、裸眼では水面の反射で海中が非常に見えづらい。だからこそ偏光グラスは必須です。でも、どんな偏光グラスでも良いというわけではありません。沈み根の位置を「なんとなく」ではなく「正確に」把握できるかどうかで、掛けた魚をキャッチできるかが大きく変わってきます。例えば、地形の把握が甘いと、避けられたはずの根に魚を潜られてしまうこともある。だから、視界が歪まず、遠近感の狂いにくい偏光レンズが欠かせないんです。

実体験からくるレンズ選びのこだわりがあるんですね。

はい。以前は、視界の歪みが少ないとされるガラス製の偏光レンズを使っていたんですが、ロックショアでは少し重くて。キャストのたびにズレて、都度直すのが手間でしたし、ヒット後に激しく動くとさらにズレて、それが意識の邪魔になる。釣りに集中できないんです。その点、プラスチックレンズは軽くて扱いやすい。でも製品によっては視界がかなり歪んでしまうこともあって、沈み根の把握以前に磯を歩くのも危ないレベル。特にファイト中のように、瞬時の判断が求められる場面では、正確な視界が命です。いろんなレンズを試してきましたが、TALEXレンズはトップクラスの視界のクリアさと歪みのなさ。ガラスレンズとほとんど差がないと感じています。それでいて、軽くてズレにくい。初めて使ったとき「プラスチックレンズでもTALEXなら間違いない」と確信しました。

瀬川さんが愛用されているレンズカラーは何ですか？

この数年はトゥルービュースポーツを使ってます。自然な色調で見えるので、長時間掛けていても目が疲れにくい。ローライトな状況で偏光グラスを外しても視界に違和感が少なく、目の順応もスムーズなんですよ。レンズカラーをシチュエーションごとに変えることはほとんどなくて、基本的にはずっとトゥルービュースポーツ一択ですね。昔は、状況変化に合わせてコントラストの強いアクションコパーやイエロー系のレンズも使っていたんですが、今は連日フィールドに立つことも多いので、自然な見え方で疲れにくいことを最優先しています。
フレーム選びにもこだわっていて、横からの光を防ぎ、顔を包み込むようなカーブの強いものが好み。現在はTALEX８カーブレンズを搭載するダイワのTLXサングラスを愛用しています。国内外問わず、いろんなシチュエーションで使ってきましたが、カーブの強いレンズ特有の違和感を、ほとんど感じることなく釣りに集中できていますね。

もっとも目を酷使するのは、やはりトップウォーターの釣りでしょうか？

トップに限らず、ジグでも同じです。僕は常に「水の動き」を見ているんですよ。潮の当たり方、岩にぶつかったあとの流れの変化、そういった情報は、裸眼よりも偏光サングラスの方が圧倒的に見やすいです。キャスト後も、実はルアーそのものはあまり見ていなくて、周囲の広い範囲を観察しています。バイトしてくる魚も、チェイスの時点で気づけることが多い。だからヒットに対して初動が早くなり、主導権を握りやすくなるんです。
僕のプロデュースするルアーには、見やすさ重視の派手なピンク系カラーが少ないのもそのため。ルアーそのものを目で追うより、周囲の水の変化に気づくことの方が釣果につながるんですよ。

ルアー周辺では、具体的にどんな変化を見ているのでしょうか？

ターゲットやベイトフィッシュの動きはもちろんですが、僕が注目しているのは「今、水中がどんな状態なのか」です。たとえば、小魚が警戒せずにゆったり泳いでいるようなときは、大型魚が近くにいない可能性が高い。そういう時は時合じゃない。逆に、急にベイトが見えなくなったら、大型魚が回遊してきたサインかもしれません。そういう瞬間は集中して投げ続けます。海中の様子が見えないと、チャンスタイムを察知するのが難しいんですよ。ただがむしゃらに大型ルアーを一日中投げるのは体力的にしんどい。でも時合が読めれば、体力を温存しつつ、結果としてキャッチ率も上がるわけです。

魚そのものだけじゃなく、水面のわずかな波立ちの違いや変化も重要な判断材料になります。TALEXレンズを通すことで、水面のギラつきが抑えられるだけでなく、そうした微細な“ざわつき”までしっかりと見えるんです。判断材料は多いに越したことはありません。だからこそ、こうした些細な変化も見逃さず、精度の高い釣りをしていきたいと思っています。