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SALT WATER FISHING
ANGLERS VOICE
アングラーズボイス
大野 ゆうき
YUKI OHNO
大切なのはイメージと現実のリンク
家から通える身近なフィールドで、日常的にルアーフィッシングを楽しめるターゲットがシーバスだったという大野さん。 高校生の頃から本格的にシーバスのルアーフィッシングにのめり込み、 自身のステップアップのなかでTALEXレンズを愛用するようになって20年が経つ。 情報収集力は格段に向上し、独自の攻略法をブラッシュアップできたという。 その20年という経験のなかで辿り着いた彼のフェイバリットカラーと、 そのレンズカラーで釣果に結びつけるために、何に注目しているのか?を訊いてみた。
大野さんがシーバス釣りに興味をもったのはいつ頃からですか?
小学校5年生か6年生ぐらいにバス釣りを始めて、それから二年後くらいだから、シーバスを狙い始めたのは中二ぐらいですね。最初は投げ釣りでセイゴ、フッコとかハゼとかアナゴ狙っていると、シーバスもかかっちゃうんでサカナ自体、馴染みはありました。始めた頃はルアーで狙うサカナという感覚はなかったので、やってなかったんですけど、仲間に「ルアーでもシーバスが釣れるからやってみようよ」って誘われたことで始めたのが最初ですね。それからは時間を見つけては釣りに出かけるようになりました。 なんか特別なモノでもなく、休みの日に一日かけて釣りに行くものでもなく、学校が終わって夕方から釣りに行けるようなところにシーバスがいた。そんな環境で育ってきたという感じです。自宅から、大きいのが狙える川にも行けたし、数が釣れる港湾にもいけたので、どっちも楽しんでやってましたね。
おそらく当時はシーバス=ナイトゲームという イメージだったと思うのですが?
そうですね、仲間内でもシーバスは夜に狙うサカナ。デイゲームで釣れたとかっていうと「オー!すげぇじゃん!」ていう感じのイメージでしたね。 でもボク、ルアーで釣ったシーバス二匹目はデイゲームだったんです。夜に投げ釣りしてる横で一匹目を釣って、この状況だったら釣れるかもって、次の朝行ってみたら二匹目から五匹連続でシーバスが釣れたんです。昼間も釣れるんだって結構、衝撃でした。 高校生の頃は、時間的に夜の釣りの方がメインになってしまったんですが、大学生になってからはデイゲームの釣行も増えていったという感じです。デイに抵抗がなかったこともあって、夜しかやらない人より経験が積めたんだと思います。 夜に見えなかったものが昼間には見えることっていっぱいあるじゃないですか、釣れなかった理由だったり、釣れた理由とかもね。当時はそれを、ひとつひとつ確認していくことをよくしていました。TALEXレンズの視界で地道に積んできた経験が、今の自分に繋がってるんだと思います。 デイゲームはイメージと現実がリンクする釣りですし、サカナがヒットしてから全部が見えるし、釣りとしてはやっぱり面白いと思います。デイゲームでバンバン釣れるなら、ホントはデイゲームメインでやりたいですよ(笑)。
「デイゲームはイメージと現実がリンクする釣り」 をもう少し詳しく教えてください。
ナイトゲームとデイゲームで一番違うのは、自分がやってることが明確にわかるということなんです。夜の場合は想像でやらなきゃいけない部分がほとんどですよね。もちろん、そこが面白いところでもあるんですけど、昼間は全部見える状態なので、自分の感覚と実際に水中で起こっている現実を合わせてくことが出来るんです。 例えばラインを巻き上げるスピード。これぐらいのスピードかなってリールのハンドルを回す感覚と、実際に動いているラインのスピードを実際に目で見ながら照らし合わせることで、自分の頭にあるイメージとルアーの深さやスピードがリンクします。そのイメージで夜に釣りすると、また釣れ方だったり、釣り方が変わってきて釣果に結びついたりするんで、とても大事なんです。 あと、キャストしたラインがどういう角度で入っているのかは無意識によく見てますね。着水した場所から巻き出したラインの角度をしっかり見ることで、流れがどれくらいで、どこを通していたのかを感覚的に覚えることが出来ます。夜はもちろん見える範囲が狭くなるんですが、わずかに見えるラインの角度でもイメージが出来るようになります。
初めて行くポイントでは、どのような部分をチェックしますか?
一から全部自分で組み立てなきゃいけない雑誌の企画とかも時々あるので、そういう時は昼間になるべく気になっているポイントを確認しますね。例えば、潮の色も時期的な特徴があって、春から夏に移行してくるような時期だと濁りが入り始めることが多いんですね。そんな時、潮色がマダラ状に入ったりするんで、濁っているところとそうじゃないところをチェックします。 あとは潮目ですね。ひとことで潮目といっても、流速の違いで出来る潮目もあれば、潮自体の性質の違いで出来る潮目もあるんです。ボクが注意して確認するのは、どっちかというと潮色。色の違いによってできる微妙な潮目を確認するには、自分の目に合ったレンズカラー選びが大切です。 濁っている方にベイトがいるのか、クリアの方にベイトがいるのか確認するだけでも全然ちがうと思いますし、大きなヒントになることも多いです。 あと、地形とか底の状態はもちろんチェックします。水深だったりブレイクだったり、捨て石があれば、そこに貝がついているのか、ついてないのか。岩とか転がってれば、その周りには甲殻類がついている確率が高くて、ハゼとかの住み家になっている可能性もある。その上を泳いでいるイナッコだったり小魚がいなかったとしても、甲殻類とかハゼを食っている魚が回遊してくる確率が高い場所だなって捉え方もできるので、注意深く見るようにしています。本当にピンポイントだったりするけど、そういう情報をパズルのように組み合わせることで、悪い状況にも対応できるようになります。
大野さんの経験で確率の高い状況は、どのようなシーンでしょうか?
潮色がハッキリ明確に分かれていて、なおかつベイトがしっかりたまっているような時はかなりいい状況だと思います。例えば雨の後に、流域の短い川に濁った水が海水と交じり合わずに、海に出てく時があるんですね。淡水と海水の比重が違いすぎて、淡水の濁った水と潮とがキレイに分かれる時があって、そういう時に濁った側にベイトがいるときは釣れる確率が高いと思います。 この状況は潮と濁った淡水の流れが二つの色に分かれてて、上から見ると二色に分かれているんだけど、実は濁っている淡水の下に海水が入っている時もあるんですね。その濁った水がカバーみたいな役割をしてくれて、そこに隠れているベイトをその下のクリアな潮のところから狙っているという構図も考えられます。 東京の港湾部でも土砂降りが降った直後とかだと排水溝から濁った泥水が出るんですね。でも淡水は海水よりも比重が軽いので下に行かないんですよ。表層の数十センチだけに濁った水が広がっていくんです。そうすると表面がカバーの役割になってシェイドが作られていくんです。その濁ったところにベイトがいると、見切られにくい状態で、釣ることができたりしますね。
レンズカラーの使い分けを教えてください。
TALEXのレンズカラーのなかではトゥルービュー、トゥルービュースポーツ、イーズグリーンを使い分けてます。なかでも割と明るめのイーズグリーンを使っていることが多いですね。 東京エリアでは、デイゲームが成立するような時期になってくると濁りが入り始めるんですね。そうすると、あまり暗いレンズよりも明るめのレンズの方が見やすくなってくるかなとボクは思っています。 東京だと結構ストレートな運河が人工的に作られているんで、パッと見は地形変化がないように見えるんですが、場所によって水深変化が結構あるんです。船が通ることで波が立って、その波が集まるところだけ砂がどんどん堆積していってそこだけで浅くなったりするんです。そういう浅いところには甲殻類が居る確率が高かったりしますし、潮も変化するんで活性の高い魚が付きやすかったりします。 あと岩とか大木などストラクチャーを見つけられれば魚がついてる可能性が高いです。 イーズグリーンは理想的な明るさで、そういった見落としたくない情報も発見できるので、よく使います。 イーズグリーンに限らず、TALEXレンズの良さって、レンズの真ん中でも端っこでも同じ様にハッキリ見れて、疲れないところだと思うんです。レンズの中心付近から見える範囲だけでチェイスやボイルが始まるなんて、そんな都合よくいかないんで。視野の隅、レンズの端っこの方で、何かはねた時に気付ける性能は釣果に繋がりますよね。
最後に、釣果アップを目指すアングラーにアドバイスをいただけますか?
この釣りって、なるべく少ない手数でアプローチしないとサカナがスれちゃうんで、できる限り1投目で喰わせられるのがベスト。一回投げて通しちゃったら、ルアーを見たサカナのコンディション変わってしまうから。 そのなかで確率を最大限にアップさせるにはイメージと現実をリンクさせられることや、地形を見て絞り込むことが重要です。目で見える情報をフルに活用して、サカナのつく確率が最も高いスポットをイメージ通りにトレースする。この意識をしっかり持つことが一匹に近づける近道なんだと思います。 たくさん釣れる時を追い求めてやっているんですけど、そんなにしょっちゅう起こるもんじゃないです。簡単に釣れる時もあれば、そうじゃない時もいっぱいあります。だから、そうじゃなくても楽しめるような状況に持っていくには、いろいろ大事になってきますね。 渋いときに、いかに釣るかっていう考えるプロセスもこの釣りの面白さだと思います。
大野 ゆうき おおの ゆうき
メインエリアが東京湾の湾奥ということから、「湾奥のプリンス」というニックネームをもつシーバス界を代表するトッププロアングラー。長年の経験に裏打ちされた直感力で、東京のみならず全国のシーバスを見事に攻略していく。
- 着用サングラス Zeque ステルス
SALT FISHING
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自分の目で得た情報は、必ず釣果につながる。