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SALT WATER FISHING

ANGLERS VOICE

アングラーズボイス

田代 誠一郎

SEIICHIRO TASHIRO

全員の目の代わりになることが私の仕事

強烈な引きと感動的な達成感が得られる釣りとして、全国で人気沸騰中のオフショアフィッシング。代表的なターゲットはヒラマサなどの青物やカジキ、クロマグロといった大物。近年、著しい進化を誇るタックルによって、釣り上げる確率が上がっている。そのオフショアフィッシングアングラーの釣果をサポートするガイド船の中で、アングラーの憧れ的存在、サンライズ/新海を駆る田代 誠一郎さん。ゲストの釣果が何よりも自身の歓びという姿勢がファンから慕われ、カリスマ船長と呼ばれるようになった彼はTALEXレンズを愛用するようになって10年になる。長いガイド経験のなかで辿り着いた彼のフェイバリットカラーとTALEXレンズを使い続ける理由を訊いてみた。

TALEXレンズを使うようになって気づいたメリットを教えてください。

10年くらい前、TALEXレンズと出会うまでは、結構暗めの偏光グラスを使っていて、とにかく目が疲れまくってたんですよ。視界の暗さも、それが当たり前だと思っていて、見にくいモノを頑張って見ようとしてたんでしょうね。強い反射光と紫外線のなかで、サンマやトビウオなど、遠くの水面変化を見つけるために視線は常に動いているし、一般の人より、かなり酷使してたと思います。夜になると、いつも目は真っ赤で、目薬を手放せなかったのを覚えてます。その上、帰ってからHPを編集してた時期だったので全く目を休める時間がなくて…
それがTALEXレンズと出会って、すべてが一変したわけです。目を凝らして、いろんなモノを探そうとしなくても、見たいモノが普通に見えるようになりましたし、溜まっていた目の疲れも、なり軽減されたのを覚えています。今となっては当たり前になっているんですけど、このストレスフリーな感覚は、改めてすごいなって感じますね。一日をしっかりガイドできるようになりました。

PHOTO:KEN TSURUSAKI

一番気に入っているレンズカラーとその理由を教えてください。

やっぱり私はトゥルービューですね。最初に海を見たときに感じたナチュラルさ。ホント偏光効いているの?ってサングラスを上げたり下げたり確認したくらいですから。それくらい視界がナチュラルだったわけですよ。それでいて、当時、抱えていた目の充血や疲れが抑えられるんですから、手放せなくなりました。10年使い続けてきて、今はトゥルービューの視界が自分の一部になってる感じです。そのくらいの感覚でないと見えない変化があるんですね。ほとんどのお客さんは気づかない、ごくわずかな変化。これを見つけることが船長として、とても大切なことなんです。もちろん、他のレンズカラーも試しましたよ。日差しが、かなり強い時にトゥルービューフォーカスで水面を見比べたこともあるんですが、私には、やっぱり明るくナチュラルなトゥルービューなんです。生活のなかに完全に溶け込んでる今、これがなかったら仕事が成立していないですね。

PHOTO:KEN TSURUSAKI

田代船長の言う、わずかな変化を具体的に教えてください。

わずかな変化というのは、もちろんナブラなんですが、私が見逃したくないのは、とても小規模なナブラです。例えば、数メートル規模で一斉にベイトが跳ねるナブラや、しぶきが大きいサカナの捕食なら割と誰でも見つけやすいと思うんです。でも私が見たいのは、遥か先でヒラマサがシイラを一匹だけ捕食した瞬間や、捕食したあと海面に残るモヤモヤ。あと、100メートルとか200メートル先で、ヒラマサに追われて逃げまどっている2~3匹のサンマとか。それがピョンっと飛ぶ時があるんですね。 その瞬間、お客さんに「今、サンマが150メーターぐらい先で2匹飛んだから、ちょっと気を引き締めてやっといてください。たぶん来ますよ!」って言えるんです。もちろんお客さんは「え、どこですかどこですか?」ってなるんですが、「気だけ引き締めてやっといて!」って。アングラー側のモチベーションや心の準備って、少ないチャンスをモノにして釣り上げるには、とても大切なことなんです。 そういった、わずかな変化をひとつでも多く見逃さないよう、常に探しているのが私の日常。毎日ですしね。だから『見ること』は本当に大切なこと。そのためにトゥルービューは不可欠なモノだし、カラダの一部なんです。

PHOTO:KEN TSURUSAKI

キャスティング船に乗りたいと思っているアングラーにアドバイスをお願いします。

まず言えることは、偏光サングラスをかけた方が、自分がどのような状況で釣りをしているかがわかるし、見えることで楽しさは何倍にもなるということ。ベストなレンズを選べば、自分のルアーの後ろにヒラマサが何匹ついてるのかとか、何十メートルも向こうから泳いできて自分のルアーに噛みついてくるとこも全部見えるんですよ。フッキング出来なかったとしてもプロセスが見えれば、ポーズの間や動かし方をアレンジすることだって出来ます。 あともう一つ、同船者のルアーやラインの方向が見えることもメリットです。見えてないと被してしまって自分だけじゃなく、仲間のチャンスを逃してしまうこともありますしね。自分の目に合った偏光サングラスは、お互いのコミュニケーションをリンクさせるためにも必要だと思います。

PHOTO:KEN TSURUSAKI

私は全員の目の代わりをすることが仕事だと思ってます。全員が見えていないところを、こうですよ、ああですよって的確にガイドする。それが誰かの釣果につながって、足を震わせながら顔をクシャクシャにして喜んでるゲストと感動を分かち合う、それが私にとって最高に幸せな瞬間です。

PHOTO:KEN TSURUSAKI

田代 誠一郎 たしろ せいいちろう

遊漁船 サンライズ/新海

佐賀県在住。学生時代に雑誌SALT WORLDの北村 秀行氏の記事を見て、そのダイナミックなフィッシングスタイルに衝撃を受ける。以来、海の大物釣りに惹き寄せられ、20代に師と仰ぐGTフィッシングのカリスマ・福井健三郎氏と出会う。ワールドマリン社で最前線の多彩な経験を積み、その後、佐賀の造船所勤務を経て26歳で遊漁船を始める。メインエリアである玄界灘に魅せられ、ヒラマサキャスティングゲームのパイオニアとして全国にその名を馳せる。その経験を活かし、現在はガイドに重きをおきながら、未来に目を向け、サカナの保護活動の発信者としても活動している。