数年前に健康ブームが到来し、健康を意識する生活が定着しつつある日本。
私は偏光サングラスの専門店で勤務している中で、白内障は「加齢とともにくる逃れられない病気」と心配されながらも、予防や症状について理解されていない方のご来店が年々増えてきていることが気になり、今回のブログをご用意しました。
目次
1.そもそも白内障の術後ってどうして眩しいの?
まず、白内障はカメラでいうレンズのような働きをする水晶体といわれる組織が、年齢を重ねると共にどんどん白く濁っていってしまう病気です。
白く濁ってしまうと目に入ってくる光がうまく眼球の奥にある器官に届かなくなってしまいます。
この症状は見え方的には「視力の低下」「白くぼやけた視界」「雲がかかったような視界」に感じられます。
では何故手術後は眩しく感じてしまうのか?例えば…白くぼやけた症状で5年間生活されていると、その視界が当たり前となってしまいます。そんな雲がかった視界が白内障の手術を行って透明の人工水晶体(眼内レンズ)に戻り、急にクリアな光が目に入ることで光の量を多く感じてしまい白内障の頃よりも眩しくなってしまった。
…と、なってしまう事が原因と言われています。実際には白内障になる前の状態に戻ったのですが、白内障の手術後は本当に眩しいという感想をよく耳にします。
2.色の濃いサングラスを選ばないとダメ?
濃い色のサングラスじゃないとダメ。なんてことはありません。
前回の「白内障の術後ってどうして眩しいの?」でご説明しましたが、目の中の水晶体が手術によって元に戻ったとはいえ、白内障で白く濁った視界からにいきなりクリアな視界に戻ったのですから眩しいのは当然。
特にこの眩しさに困っていらっしゃる方は日中外に出ることに抵抗を持たれていませんか?手術後に眩しさを感じた方は眼科医の先生から「落ち着くまではサングラスをしたほうが良いですよ。」と言われた方が多いのではないでしょうか。
日差しが強いとなるとどうしても「眩しさをカット出来そう」というイメージで「色の濃いサングラス」を選んでしまいますよね。「怖く見えてもラクになるのであれば」という方もいらっしゃると思います。
ですが「外観的にどうしても目が見えなくなるのはちょっと。」と、普段からサングラスをされない方はサングラス着用に抵抗をもってしまうと思います。
なので「出来るだけ色の薄い、眩しくないサングラス」があれば白内障の手術後に気兼ねなくサングラスを着用できるのに…と思われているのではないでしょうか。
3.色の薄い、眩しくないサングラスなんてあるの?
出来る限り色の濃さを抑えつつ眩しさを軽減出来るレンズがあります。
皆様は「偏光レンズ」はご存知でしょうか?
通常、サングラスといわれるレンズのほとんどは「染色」されているレンズが使用されています。わかりやすくご説明すると透明レンズに直接色を染めたレンズ。
それに比べ、偏光レンズは透明レンズと透明レンズの間に、特殊な機能をもった色のついたフィルターをサンドイッチしているレンズのことです。
「特殊な機能」というのはどういったものなのか?
正面からの光を抑えるだけではなく、反射してくる光をカットする機能をもっているレンズのことです。
染色だけのレンズは色の濃さのみで眩しさを軽減しようとする分、色を濃くしない限り眩しさを抑えることが難しくなります。
偏光レンズは上の写真でもわかるように反射を抑えてくれる機能が加わった分、比較的色の薄いレンズで眩しさを大幅に抑えることが可能になります。
白内障術後は何故眩しい?サングラス選びのポイントについて
これまで3つに分けて白内障に対してサングラスの選び方についてご説明してきました。
これは私が約7年間、偏光レンズの専門店で販売を行っていた時に「白内障の手術をしてから母が外出しなくなって、みるみる元気が無くなってきた。」「濃いサングラスをつけていると、友達からちょっと怖いよ。と言われてしまってショックだった。」こんな悩みを抱えてご来店される方が年々増えているのです。そこでそんなお悩みに対して少しでも選びやすい方法をご説明出来ればと思いブログにしました。
偏光レンズは反射をカットする機能上、水の中がよく見えるようになるためにフィッシング(釣り)で愛用する方が多く、サングラス=ファッション・趣味というイメージをもたれているお客様が多いことを感じていました。
しかし、ここ数年健康を気にされている方が増えているにも関わらず、サングラスはどうしても日本の文化として習慣化されにくくなっており、抵抗を持たれる方が数多くいらっしゃいます。
もしサングラス選びに悩まれている方がいらっしゃれば是非ご相談ください。