前回の薮下ブログでは、登山準備のなかで紫外線対策の重要性を見落としている方が多いとお伝えしました。
今回は、なぜ登山靴やウェアと同様に、紫外線対策が重要なのかをお伝えしたいと思います。
-紫外線は1000m登れば10%強くなる-
海外では、普段の生活でも常識となっている紫外線対策。UVという言葉は、いまや化粧品などのテレビCMで普通に使われるようになり、皮膚や目に悪影響を及ぼすことは皆さんご存知でしょう。そして、この紫外線は、厄介なことに標高が高くなればなるほど強くなる性質を持ち、標高が1000m上がれば10%強くなるといわれています。つまり山は高く登れば登るほど、強い紫外線を浴びることになるわけです。当然、守らないといけない。けれども、国内登山ではまだまだ意識が低いのが実情です。
私たちが独自におこなったアンケートでは、標高が高くなると紫外線が強くなること、そして紫外線対策が重要なことは知っているのに、対策はあまりしていない方がほとんど、という結果が出ています。
-日焼け止め、ちゃんと用意したから大丈夫!?-
腕や足など露出した部分に関しては、最近流行のアクティブに動ける薄い生地のベースレイヤーで対策できている方も増えてきましたね。けれども顔が露出している以上、万全とはいえません。
「大丈夫、ちゃんと日焼け止めクリームも用意してるから!」と安心している方が多いようです。では、あなたの大切な目は守れていますか?目に日焼け止めクリームを塗ることは、もちろんできません。
山岳ガイドの小峰さんはこのように教えてくださいました。
「多くのゲストさんを日々ガイドしていますが、身体から直に受けるダメージには気を遣っている方が多いが、ジワジワとダメージが忍び寄る眼球までは意識が向いていないのが現状です。」
-目は登山にとって、どれほど大事なのか?-
● 登りはもちろん、下山のときに安全な次の一歩を踏み出すために足元を確認するのも目
● 危険を察知し、安全なルートへの変更を判断するのも目
● 登山の楽しみであるキレイな景色を見るのも目
そうです。皆さん、登山を永く楽しむには有害な紫外線から目をしっかり守る必要があるわけです。目に対する紫外線対策、この重要な役目を果たすのがサングラスです。しかも、どんなサングラスでも良いというわけではなく、紫外線をしっかりカットするレンズが搭載されたサングラスが必要です。
雨風からカラダを守るレインウェアや地面の岩角から足を守る登山靴と同じように、有害な紫外線から目を守ってくれるサングラスは、とても重要なアイテムということはお分かりいただけたのではないでしょうか?
次回の薮下ブログでは、正しい登山用サングラスの選び方について解説します。