前回のPART.1に引き続き、今回はラスターオレンジに求めた性能を少し掘り下げてお伝えしたいと思います。
私自身が見たいと感じたのは、池原ダムの岩盤エリアで夕方6mラインに浮いてくる大型のサカナです。これが見える、いや、見えるとまではいかなくても正確な位置だけでも識別したかったのです。
池原ダムのような切り立ったリザーバーの壁は、夕方になると短時間で広範囲の水面(面積)を日陰へとシフトします。光がディープまで届かず、当時のTALEXレンズカラーバリエーションを駆使しても、見える範囲が一気に狭くなるタイミングがあります。このアングラーにとってマイナスとなる要素は、ハイプレッシャー下のバスにとってはプラスに運ぶのでしょう。
アクションコパーでは少し暗く、ラスターブラウンでは背景と馴染んでしまう、イーズグリーンで追える水深では少し足らない。どんな色合いのレンズカラーがこのシーンを補えるかはわかりませんでしたが、新しい別のレンズカラーに求めるイメージはここにありました。
キーとなるのは3つ。
1.岩盤のグレーとサカナの色との区別
グレーの岩だけでなく、岩と岩の間にあるエグレの黒と魚影を見間違えないようにするコントラスト性能。
2.薄暗い深場も見える明るさ
光が届くギリギリのラインにダラダラと続くグレーと黒の世界。このなかで岩の大きさや変化点を識別できる明るさ。
3.水面反射も消せる偏光度
いくら明るくても水面の反射が残ると情報が不明確。白い光だけでなく、水面に映る樹木や立ち木も消せる偏光性能。
これら3つの要素を兼ね備えたレンズカラー。これが、ラスターオレンジというレンズカラー開発に求めた機能です。
次回の薮下ブログでは、『ラスターオレンジが威力を発揮するフィッシングシーン』についてをご紹介したいと思います。